ロッキンバードはむせび泣く

音楽を中心として好きな物について語っていきます。

年の瀬に聴きたい音楽#2 ジョンレノン (Just Like) Starting Over

早いもので2023年も今日で終わります。

 

静かに、安らかな気分で年越しを迎えたい所ですが、相変わらず世の中は暗くなるようなニュースばかり。まあ、気持ちだけは前向きにいきたい所ですね。

 

さて、今年はビートルズの新曲もリリースされたりと、ビートルズ周辺においても割と世の中をにぎわせた1年だったと思います。

そんな中、1980年にリリースされたこの曲はビートルズファンならずとも大きな意味のある曲と私は思っています。

 

 

アルバム「ダブルファンタジー」に収録されたこの曲はジョンの最後のシングルとなりました。アメリカでのリリースは1980年10月23日、日本では11月10日と

まさに亡くなる1か月ほど前に発表された事になります。

 

この曲はジョンの最後のシングル曲ですが、世間的にはあまり認知がされていないようにも感じます。ジョンのソロでの代表曲といえば「イマジン」に集約され、ジョンレノンを語る上でのステレオタイプ的なイメージを形作っており、個人的にはやや納得いかない感じがしています。

 

さて、この曲(アルバム)はジョンの約5年に及ぶ主夫生活から、いよいよ再活動を始めるという意気込みで発表されました。

 

本来であればまさに”これから再出発”だった訳です。

 

 

 

しかし、その夢は絶たれました。

 

ですが、今もそのメロディや、歌詞は我々に訴えかける物があります。

 


www.youtube.com

 

一般的にこの曲の歌詞は、ヨーコとの事を歌っていると言われますが、

この歌詞がポールへ向けた歌詞だったのではと考察された方がおりました。

東京ヒルトンさんという方のこの記事はとても秀逸だと思います。

 

「(Just Like) Starting Over」について、共に歳をとった人達へのジョンからのメッセージという解釈がされ、日本語訳付きで歌詞が紹介されたんですが、その日本語訳が私にはしっくりきませんでした。

細かい言葉は違いますが番組内での日本語訳は、おおよそ以下のようなものでした。

Our life together is so precious together
僕たち二人一緒の人生は尊い

We have grown, we have grown
僕たちは成長した、僕たちは成長したんだ

Although our love is still special
僕たちの愛は特別だけれど

Let’s take a chance and fly away somewhere alone
チャンスをつかんで、二人でどこか遠くに飛び立とう


「fly away somewhere alone」は本当に「二人でどこか遠くに飛び立とう」なのか? 

私が気になったのは、そこでした。

 

と一般的な翻訳への違和感を綴っております。そして下記のように考察していきます。

 

「alone」についてはWikipediaでは

「歌詞中の『alone』を『一人きりで』と間違って訳されたものがあるが、主語は『Let's (=Let us) ~alone』『we ~alone』と複数なので『(他には誰もいない)僕達だけで』というのが正しい意味である」

と書かれているのですが、「Let's (=Let us) ~alone」ではなく「Let's (=Let us) ~. …alone」という風に、「alone」の前でいったん文章が終わり、「somewhere」の後に「alone」を独立して付け足したように感じたんです。

White Album」の「Revolution」で「Don't you know that you can count me out」の後に、シングル版にはなかった「…in」を付け加えたみたいに。

「Let’s take a chance and fly away somewhere」という歌詞は曲の最後にもう一度出てきますが、その時は「alone」は付いてないんですよ。
もし「alone」が言葉の通り「一人で」「一人ぼっちで」の意味だったとしたら…

そう考えた時にハッとしたのです。

この歌詞はジョンからポールへのメッセージなのではないかと。

 

そしてこのように続きます。

 

そういう気持ちで歌詞を読むと、以下のように読めます。

Our life together is so precious together
僕たち二人一緒の人生(ビートルズ)は尊い

We have grown, we have grown
僕たちは成長した、(ビートルズを解散してから)僕たちは成長したんだ

Although our love is still special
僕たちの愛(ビートルズ)は今でも特別だけれど

Let’s take a chance and fly away somewhere alone
チャンスをつかんで(バンドから解き放たれて)、各々ソロで羽ばたこうぜ


1980年のポールはというと、1月に日本で大麻所持のため逮捕されてからウイングスの活動を休止して、5月にソロアルバム「MacCartney Ⅱ」をリリースしています。

「俺も音楽活動を再開するから、お前もソロで頑張れよ」

と、ポールに向かってジョンが呼びかけているように思えませんか?

そう考えて続きの歌詞を読めば、ビートルズファンの胸にはグッときますよ。


It’s been too long since we took the time
二人で時を過ごしていた頃(ビートルズの頃)から随分と経ってしまったけれど

No one’s to blame, I know time flies so quickly
それは誰のせいでもなく、時が経つのが早いだけさ

But when I see you darling
でもお前に会ったら

It’s like we both are falling in love again
またあの頃のように一緒に(音楽を)やりたくなるのさ

It’ll be just like starting over, starting over
またやり直したくなるんだよ

こんな風に読めてしまって、番組を観ながら私はうるうるしてしまいました。

 

と締めくくっています。これを読んでこの説がほぼ間違いないのではないかと私もおもいました。

その証拠ではないですが曲中こんな歌詞も出てきます。

 

基本的にはオノ・ヨーコへ向けたメッセージソングであるが、歌詞の一部に「It's time to spread our wings and fly Don' let another day go by my love It'll be just like starting over」と集中的にポール・マッカートニーに関連する言葉を入れていることから、ポールを意識している可能性が示唆される

 

皆さんはどう思いますか?

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、2023年もあと8時間ほどとなりました。

 

 

この暗い世相に嫌気がさす人もいるかと思いますが、でも、もしジョンが生きていたらこう言うのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

「2023年は散々だったな、2024年は良い年にしようぜ!」

 

 

 

 

 

 

では良いお年をお過ごしください。