ジミーペイジの魔法〜DADGADチューニングについて
ハードロックを聴き始めて、早、うん10年。
激しいリフやテクニカルなギターソロ。それこそがハードロックだ。
と自分の中で勝手にそう決めつけていました。
レッドツェッペリンの「カシミール」が収録されているのは「フィジカルグラフティ」という2枚組のアルバム。
これはツェッペリン6作目のアルバムで、個人的にツェッペリンの中で最も好きなアルバムのひとつです。
学生当時初めて聴いた時はなんだかパッとしない印象だったのですが、聴けば聴くほど魅力を感じる事ができるそんなアルバムですね。
ツウ好みみたいな。
そこに収録されている「カシミール」という曲は凡そ私が思うところのハードロックの常識から外れておりまして、
まず8分30秒という長尺。「天国への階段」も長いですが、それよりも30秒ほど長いです。
そしてギターソロは一切無し。これでもかっていう位のリフが延々と続いていく…。
この単調ともとれるギターリフに独特な魅力を与えている秘密は「DADGAD」というチューニングにあります。
これはギターのオープンチューニングの一つで、通常のギターチューニングに対し、6弦D
5弦A 4弦D 3弦G 2弦A 1弦Dに最初から変えているチューニングの事を言います。
それぞれのキーを指してDADGADと呼ばれている訳ですね。
そしてこのチューニングにより曲全体がエキゾチックな雰囲気に変容を遂げています。
私のイメージとしては長い長い砂漠を歩き続けているような感じとでも言いましょうか。
中東とかアラブとかそんなイメージが近いですかね。
8分30秒という長い曲なのに長さを一切感じさせず、聴き終えた後は何か一作の映画を見た後のような充実感すら覚えます。
まさにジミーペイジの魔法ですね。
私の音楽の概念を吹っ飛ばした曲のひとつです。
まだ聴いたことが無い人は是非聴いてみてください。
ではまた!